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【GO TO FLY 】MM KIX –目覚まし時計と旧友に会–

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旅客ハンドリング部2課と

自称文学的ハンドリング部を

兼任している、私のイニシャルは、Oである。

目覚まし時計の倫理



目覚まし時計に対して、
私は長らく倫理的な不信を抱いている。

それは機械の不正確さによるものではなく、
それを扱う人間―すなわち私自身の問題である。


設定を忘れる夜もあれば、
鳴動と同時に反射的な動作で停止させ、
そのまま眠りに沈む朝もある。

寝坊は習慣であり、修正されない性質だった。


暦は2026年を示していた。



年が改まったからといって、
人が変わるわけではない。



それでも私は、
少なくとも自覚的であろうとした。


“改善”ではなく、”認識”としての決意である。

会社のGO TO FLYという福利厚生制度を
利用し、大阪へ向かうことにした。



大阪、いやKIXへのpeach社の航空便は
早朝か深夜の二択だった。


合理的な選択は前者である。
滞在時間を最大化し、移動を効率化する。


その正解を理解しながら私は唯一の不確定要素

―起床という行為―を



思わずにはいられなかった。


不安は、予兆として正しかった。




目を覚ました瞬間、私は敗北を理解した。





身体は起きていたが、時間がすでに

過去のものになっていた。



仕事でも遅れ、私事でも遅れる。



反復される失敗は、もはや偶然ではない。


2026年は、この延長線上で始まるのだと、


私は布団の中で静かに納得した。


そこで、意識が途切れた。



再び目を開けると、朝の光が規則正しく
室内を照らしていた。


 夢だった。

心拍がわずかに速く、現実感だけが確かだった。


時計を確認すると、時間はまだ現在に属している。

私は予定通り空港にいた。


同僚、先輩、後輩たちが、それぞれの職務を

遂行する姿が視界の端に流れていく。




KIX行きの飛行機は定刻に離陸し、地上は徐々に抽象化されていった。


遅れはなかった。それだけの事実が、過剰に重く感じられた。

KIXには予定通り到着した。

KIX、いや大阪には、

かつて同じ時間を共有した人々がいる。




杯を交わし、言葉を重ね、記憶を確かめ合う。



過去は回収されるものではないが、

確認されることはある。




その日、短い間ではあったが

私たちは確かにそれを行っていた。


やがて帰路に進むべき時刻がなり、

成田、いやNRTに戻る。




迎えの顔を見たとき、私はようやく



旅が完結したことを理解した。


寝坊という性質は、
おそらく今後も私の内部に
残り続けるだろう。


しかし夢の中で失敗し、
現実で予定通りに進むこともある。


2026年は、その矛盾を含んだまま、


静かに始まった。


最後に旧友との写真で締めくくろうと思う。


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